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俳句とは?作り方やルールを徹底解説

  • 執筆者の写真: lunatsukineko0217
    lunatsukineko0217
  • 2 日前
  • 読了時間: 5分

本コラムを担当させていただきます、辻村麻乃主宰の俳句結社「篠(すず)」に所属し、また、当ホームページの共同管理者をしております横田瑠菜と申します。


「俳句」と聞くと、小学校や中学校の授業で習った記憶はあるものの、「難しそう」「私には無理」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。


私も、主宰のように俳句の奥義を知り尽くした者ではなく、皆様と同じく、この十七音の世界の深さを日々学んでいる途中の身です。


しかし、俳句は決して特別な人だけのものではありません。自然の移ろいや日常のささやかな感動を、たった十七音に込めるという、日本が世界に誇る詩の形です。


本コラムでは、俳句の魅力をこれから発見したいという初心者の方に向けて、「俳句とは何か」という基本から、句作を楽しむための「ルール」や「作り方」までを、わかりやすく丁寧にご紹介いたします。


堅苦しいことは抜きにして、まずはこの奥深い十七音の世界の入り口を一緒に覗いてみましょう。このページを読み終えたときには、きっとあなたも一句詠んでみたくなるはずです。


俳句とは?その歴史と魅力


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俳句は、五・七・五の十七音から成る、世界で最も短い定型詩です。


この短い形式の中に、季節の情景や、作者の心情、そして一瞬の感動を凝縮して表現します。


その源流は、室町時代に盛んになった「連歌(れんが)」にあります。※源流とするなら鎌倉時代から


連歌は複数の人で五・七・五と七・七の句を交互に詠み継いでいく遊びでしたが、その最初の五・七・五の句を「発句(ほっく)」と呼びました。江戸時代に入り、松尾芭蕉(まつおばしょう)がこの発句を芸術性の高い文学へと昇華させ、「俳諧(はいかい)の連歌」として大いに発展させたのが背景です。


明治時代になると、正岡子規(まさおかしき)が、連歌から独立した芸術としてこの五・七・五の形式を確立し、「俳句」という名称を定着させました。伝統的な俳句は、この五・七・五という音数律の他に、必ず季語を入れることを必須の条件としています。


俳句の魅力は、その「簡潔さ」にあります。


余分な言葉を削ぎ落とし、最小限の音数で読者の想像力を最大限に刺激する。また、身近な自然や生活の中にある「はっ」とする瞬間を十七音に捉えることで、日常の視点が豊かになることも大きな喜びです。


俳句のルール:十七音と季語

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俳句を詠む上で、基本となる「ルール」は主に二つです。


1. 五・七・五の音数律(定型)


俳句は、上から五音、七音、五音の合計十七音で構成されます。この五・七・五の形式を「定型(ていけい)」と呼び、伝統俳句において最も重要な基本となります。


ここでいう「音」は、私たちが普段使う「文字数」ではなく、日本語の「拍(はく)」または「モーラ」という音の単位で数えます。


たとえば、「きょう(今日)」は三文字ですが、「きょ・う」と二音として数えます。また、「ちょうちょう(蝶々)」は六文字ですが、「ちょ・う・ちょ・う」と四音として数えます。


この十七音から多少外れることを「字余り(じあまり)」や「字足らず(じたらず)」と呼びますが、あまりにも逸脱してしまうと俳句の持つリズムが失われてしまいます。


まずは基本の五・七・五を意識して詠むことから始めましょう。


2. 季語(きご)を入れること


もう一つの重要なルールが「季語(きご)」を入れることです。


季語とは、特定の季節を表す言葉で、四季の移ろいを十七音の中に表現するために不可欠な要素です。


たとえば、「桜」といえば春、「夕立」といえば夏、「紅葉」といえば秋、「雪」といえば冬、といったように、誰もが共通して季節を感じられる言葉が季語となります。


季語は歳時記(さいじき)という専門の辞書にまとめられており、句作の際にはこれが座右の書となります。


季語を一句の中に一つだけ入れることを「一物仕立て(いちぶつしたて)」といい、これが基本となります。複数の季語を入れてしまうと、句に表現したい季節感がぼやけてしまうためです。


なお、近年では季語を用いずに詠む「自由律俳句」もありますが、まずは季語のある伝統的な俳句から始めることをお勧めいたします。


俳句の作り方:心動いた瞬間を大切に

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それでは、実際に俳句を作るための具体的な手順をご紹介します。


ステップ1:心動いた瞬間を見つける


俳句は、感動を十七音に定着させる作業です。まず、日々の生活の中で「美しい」「面白い」「不思議だ」「悲しい」など、心が動いた瞬間や情景を見つけましょう。


たとえば、朝露に濡れる花の美しさ、夕焼けの空の色、道端に咲く雑草の力強さなど、特別な出来事ではなくても構いません。「目の前の事実を新鮮な目で見る」ことが句作の第一歩です。


ステップ2:季語を選ぶ


心動いた情景や出来事が、どの季節のものかを考え、その情景を最も的確に表す季語を探します。


例:「ひまわりが咲いているのを見て感動した」

この場合、「ひまわり」が夏の季語となります。主役となる季語を一句の中に据えることで、句の季節感とテーマが定まります。


ステップ3:十七音にまとめる


選んだ季語と、その時に感じた情景や感動を、五・七・五のリズムに合わせて言葉にしていきます。この時、「客観的な描写」を心がけることが大切です。


主観的な感想(「〜だと思う」「〜が素晴らしい」)ではなく、読者がその光景をあたかも目で見ているように感じられる表現を目指しましょう。


この作業を「推敲(すいこう)」といいます。何度も言葉を入れ替えて、最も自分の思いが伝わる、十七音のバランスが良い形を探します。


五・七・五は、上五(かみご)、中七(なかひち)、下五(しもご)と呼ばれ、それぞれのつながりも意識すると、より奥深い句になります。


ステップ4:第三者の目で確かめる


句が完成したら、声に出して読んでみてリズムを確かめたり、友人や結社の仲間に見てもらい、自分の意図が伝わっているか、句に無理がないかを確かめることも大切です。


結び


俳句は、カメラのシャッターを切るように、一瞬を十七音のフレーミングの中に閉じ込める芸術です。ルールはありますが、それは決して縛りではなく、むしろより深く自由に表現するための道標です。


難しく考える必要はありません。まずは心に響いたものを素直に表現することから始めてみましょう。


一句詠むごとに、きっとあなたの日常は彩り豊かになり、世界の美しさに気づく瞬間が増えるはずです。

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11月句会情報

1. 篠の子句会 日時 : 11月4日(火)13時半~ 場所 : 埼玉県朝霞市溝沼1-5-24 朝霞市南朝霞公民館 2. 六本木句会 日時 : 11月15日(土)13時~ 場所 : 新宿区新宿5-18-20 ルックハイツ新宿1007号室 3. はのん句会 日時 : 11月26日(水)13時~ 場所 : 埼玉県ふじみ野市 ふじみ野市立産業文化センター

 
 
 

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